- 著者
-
楠山 純平
小松 奏絵
橋本 匠海
棚田 耀介
中尾 陽一
- 出版者
- 公益社団法人 砥粒加工学会
- 雑誌
- 砥粒加工学会誌 (ISSN:09142703)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.5, pp.254-259, 2020-05-01 (Released:2020-12-17)
- 参考文献数
- 13
マシニングセンタや複合加工機の場合,工具交換機能を有しており,工具の種類や工具径を変えながら加工が進められるため,主軸回転数も頻繁に変化させることになる.その結果,主軸回転数によってモ-タ発熱量や熱変形特性は変化する.したがって,スピンドルの発熱特性を把握して,適切な冷却構造をスピンドルに具備させたうえ,適切な冷却条件で冷却を行うことによって,高い加工精度を実現することが望まれる.とくに,最近,主流になっているビルトインモ-タスピンドルについては,モ-タの発熱がスピンドルの発熱や熱変形に直接影響する.本報では,開発した冷却構造を備えたビルトインモ-タスピンドルに対して,実験では測定が困難なスピンドル内部の温度変化と温度分布を熱解析シミュレ-ションにより検証した.さらに,水を冷却流体として供給し,スピンドルの回転数の違いによる温度変化,各冷却条件における冷却効果を実験的に明らかにし,シミュレ-ションとの比較を行った.