- 著者
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竹内 裕美
樋上 茂
田中 弓子
山本 祐子
生駒 尚秋
- 出版者
- JIBI TO RINSHO KAI
- 雑誌
- 耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.4, pp.S134-S137, 2000
鼻腔通気度検査は、鼻腔の開存度の客観的評価法として臨床で広く使用されている。通常、測定結果は、正常者から得られた正常値と比較して評価される。一方、左右鼻腔の鼻腔抵抗が経時的に変化する生理的現象は、nasal cycleとしてよく知られているが、鼻腔通気度検査で得られた鼻腔抵抗値をnasal cycleを考慮して検討した報告は少ない。本研究では、47人の20歳代の健康成人を対象として、1時間ごとに7時間にわたり、anterior法 (ノズル法) で鼻腔抵抗を測定した。総鼻腔抵抗の変動幅 (最大値と最小値の差) は、片側鼻腔抵抗の約1/4であったが、平均0.1Pa/cm<SUP>3</SUP>/sの変動があった。また、1時間前の鼻腔抵抗を100とした場合の変化率は、総鼻腔抵抗では平均22.8%であり片側鼻腔抵抗の変化率の約1/2であった。本研究の結果から、総鼻腔抵抗値へのnasal cycleの影響は片側鼻腔抵抗に比べると少ないが、鼻腔通気度検査の評価に影響を与えるには十分なものであることが明らかになった。