- 著者
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武下 俊宏
樋口 壯太郎
- 出版者
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
- 雑誌
- 廃棄物学会研究発表会講演論文集 第18回廃棄物学会研究発表会
- 巻号頁・発行日
- pp.278, 2007 (Released:2007-11-23)
石膏ボード各構成部位からの硫化水素の発生を浸漬条件下で確認したところ,板紙および芯材の双方から硫化水素が発生し,特に板紙から高濃度の硫化水素が発生することが明らかになった.石膏ボードに含まれる有機物として澱粉,セルロース,パラフィンワックスなどが報告されている.これらの有機物の中で,澱粉だけが硫酸カルシウム二水和物との組み合わせにより硫化水素を発生させることが確認された.一方,石膏ボードに含まれる分解性有機物を予め曝気処理することで硫化水素の発生抑制が可能か検討したところ,予想に反し曝気期間が長くなるほど嫌気条件に移行後硫化水素の発生が急速に進行し高濃度化することが明らかになった.最後に硫化水素発生抑制剤(SC剤)の最適添加量の検討を行った.結果,石膏ボードの面積(100mm×100mm)当たり5%SC剤を0.18ml添加すれば硫化水素の発生を抑制できることが確認された.