著者
横山 友暉 廣野 哲朗 小笠原 宏 石川 剛志
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

本研究では、断層掘削プロジェクトのひとつであるICDP DSeisに参加し、回収された断層岩試料およびその母岩の物質科学的特徴について、多角的な分析・実験を実施した。 Moab鉱山の地下2.9 kmからM5.5 Orkney地震の余震発生域に向けて掘削が行われ、断層および付近の母岩のコア試料の回収に成功した。回収されたコア試料は、浅部よりRoodepoort層・Crown層・Babrosco層と区分され、Crown層の貫入岩に断層が位置している。本研究にて分析を実施するため、断層および母岩より計50箇所の試料を採取した。 X線回折による鉱物組成定量の結果、断層が位置する貫入岩は主に滑石・黒雲母・角閃石(透閃石)・方解石で構成され、周囲の母岩は主に石英・長石・緑泥石で構成される。また、蛍光X線分析の結果、断層ではMg・Feに富み、周囲の岩石とは著しく異なる元素組成を示す。一方で、顕微鏡による観察の結果、断層では明瞭な葉状構造が観察された。断層を含む貫入岩は強い変質を示し、原岩(火成岩)としての組織を保持していない。しかし、鉱物組成・元素組成を考慮すると、その原岩はランプロファイアであると考えられる。また、二軸摩擦試験機を用いたせん断実験の結果、母岩の摩擦係数は0.68–0.75であるのに対し、断層では0.54と低い値を示す。 以上の分析・観察・測定結果から、M5.5を引き起こした断層が摩擦強度の著しく低い滑石を多く含むため、広域のテクトニックな力によりランプロファイア沿いに応力が集中し、地震の発生につながったと考えられる。一方で、滑石はランプロファイアには不均質に分布しているため、断層沿いの摩擦強度にはムラがあり、それが地震の規模(破壊域の面積)に影響している可能性がある。 なお本研究および本プロジェクトは、ICDP、JSPS Core-to-Core Proram、高知大学海洋コア総合研究センター共同利用・共同研究ほかのサポートを受けて、実施された。
著者
廣野 哲朗 横山 友暉 金木 俊也 小笠原 宏 矢部 康男 松崎 琢也 山本 裕二 徳山 英一 Tullis C. Onstott Martin Ziegler Durrheim Ray Esterhuizen van Heerden Bennie Liebenberg The ICDP DSeis team
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

Drilling into seismogenic zones of M2.0-M5.5 earthquakes in deep South Africa gold mines (DSeis Project) was undertaken in 2017–2018 near Orkney, South Africa, to understand principal mechanism of earthquakes nucleate and propagate. Drilling at two main holes, Hole A (817 m) and Hole B (700 m), was completed at the Moab Khotsong mine, and the latter hole penetrated the fault zone that slipped at the 2014 M5.5 earthquake. Fault-related material and its surrounding host rocks were successfully recovered from the hole, and the samples were analyzed in the Center for Advanced Marine Core Research, Kochi University, Japan. The main damaged zone is characterized by highly fragmented fault breccia with high amount of talc and amorphous material, which is likely to related to recent earthquake event. Nondestructive continuous measurements of physical properties (X-ray CT image, density, magnetic susceptibility, and natural gamma ray) are in progress. We will show the preliminary results about the characteristics of the M5.5 fault zone and its implication for generation of the M5.5 earthquake.