著者
榎 敏明 高井 和之 福井 賢一 若林 克法 横田 泰之 木口 学 福井 賢一
出版者
東京工業大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2008

ナノグラフェンの電子状態は端の幾何学構造により大きく影響を受ける。この問題は、固体物理学からは、質量のない相対論的Dirac電子の境界条件の問題としてまた、化学の視点からは、Clarの芳香族則の問題として捉えることができる。本研究では、STM/STS、AFM、Raman効果、NEXAFS、磁気測定、電子輸送測定を通して、ジグザグ端構造では、局在非結合状態が発生し、この状態は端の化学構造にも大きな影響を受けること、アームチェア端構造では電子波の干渉が起こり、電子的安定化が起ることを実験的に解明した。