著者
横田 瑛里 山中 寿朗 岡村 慶 野口 拓郎 土岐 知弘 角皆 潤 大西 雄二 牧田 寛子
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>沖縄トラフ南部、多良間島の北約60kmの海底に位置する多良間海丘で、2017年8月、調査船「よこすか」によるYK17-17研究航海において有人潜水艇「しんかい6500」の潜航調査により、300℃を超える高温の熱水噴出孔が水深1,840m付近の海底についに発見され、YZサイトと名付けられた。この海丘では2009年に実施された潜航調査により山頂付近から周囲の海水温度に比べ約20℃高い熱水の湧出が確認され、その湧水と関連すると考えられる鉄酸化物を主体とした堆積物が認められていたが(Foxサイト)、高温熱水の噴出は確認されていなかった。この海丘は南部沖縄トラフの主たるrifting zoneである八重山海底地溝のやや南に位置し、西表島北北東海底火山にあたる石垣海丘群に東側延長にあたる島弧火山列の一つと推定される。2017年の潜航調査では、両サイトから、熱水、チムニーなどの採取が行われた。本発表では得られたチムニー試料の鉱物組成や元素組成と、熱水の地球化学的特徴について報告する。</p>