著者
樽田 誠一
出版者
信州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、多量の金属AgあるいはCu粒子が析出した透明なマイカ結晶化ガラスの作製を目的として、Ag2OあるいはCu2Oを添加して調製した母ガラスの結晶化挙動および得られた結晶化ガラスの微構造について検討した。Ag2Oを1-40mol%添加すると、金属Agナノ粒子が析出した透明なマイカ結晶化ガラスが得られた。マイカ層間で析出したAgナノ粒子も観測された。しかし、金属Agの析出量はわずかで、伝導度は測定できなかった。そこで、還元剤としてCeF3を添加した。その結果、多量の金属Agが析出したが、Ag粒子は大きく成長し、透明性が失われた。一方、Cu2Oを添加しても、金属Cuの析出は観測されなかった。
著者
樽田 誠一 齋藤 直人
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

カーボンナノチューブ(CNT)を1.5SBF(無機イオン濃度が体液のそれよりも1.5倍高い溶液)へ浸漬させ、アパタイトの析出を検討した。CNTにアパタイトを短時間で均一に析出させるには、リン酸あるいはCaCl_2水溶液などで前処理した少量のCNTを1.5SBFへ均一に分散させることあると結論付けられた。また、CNTとアパタイト粉末を用い焼結法で複合化を行った。CNTが均一に分散した緻密な複合体が得られ、一般的なアパタイト焼結体と比べ、複合体の破壊靭性は向上したが、焼成中に発生したクラックにより曲げ強度は低下した。