著者
橋口 千琴
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

インプラント治療において糖尿病は相対禁忌の一つとしてあげられるが,血糖値がコントロールされていれば手術を行うケースが多い.しかし実際にオッセオインテグレーションが獲得されているかは不明である.本研究では糖尿病治療薬を服用した状態のモデルラットに対するインプラント周囲骨の形成状態を調べ,糖尿病治療薬を服用することで骨形成が実際に行われているか、評価するものである.
著者
中村 梢 中村 利明 上塘 正人 立石 ふみ 橋口 千琴 川俣 和弥 波多江 正紀 野口 和行
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.133-143, 2017-09-29 (Released:2017-09-28)
参考文献数
41

本研究は切迫早産 (TPL) 妊婦の歯周組織状態と糖代謝異常の関連を調べることを目的とした。被験者は15名の正常妊娠妊婦, 14名の切迫早産で糖代謝異常の妊婦 (TPL/糖代謝異常), 16名の切迫早産で糖代謝正常の妊婦 (TPL/糖代謝正常) とした。全ての妊婦にプロービングポケット深さなどの歯周組織検査を実施した。被験者から採取した唾液, 歯肉縁下プラーク, 絨毛膜組織のPorphyromonas gingivalis (P. gingivalis), Fusobacterium nucleatum (F. nucleatum), Prevotella intermedia (P. intermedia), Aggregatibacter actinomycetemcomitans, Treponema denticola, Tannerella forsythia (T. forsythia) の検出はPCR法で行った。歯周組織検査結果と口腔内の歯周病原細菌の検出率は, TPL/糖代謝異常とTPL/糖代謝正常の間に有意差はなかった。絨毛膜組織絨ではTPL/糖代謝正常はF. nucleatumとP. gingivalisが検出されたのに対し, TPL/糖代謝異常はF. nucleatum, P. intermedia, T. forsythiaが検出された。正常妊娠妊婦の絨毛膜組織はいずれの歯周病原細菌も検出されなかった。本研究は歯周病が切迫早産妊婦の糖代謝異常のリスク因子と示せなかった。しかし絨毛膜に存在するF. nucleatum, P. intermedia, T. forsythiaが糖代謝異常と関連する可能性を示唆した。