著者
川中 洋平 鳥貝 真 尹 順子 橋場 常雄 岩島 清
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.73-78, 2000-03-24 (Released:2010-05-31)
参考文献数
3
被引用文献数
2 2

食品包装用ラップフィルム (7材質, 22試料) からのノニルフェノール (NPs) 及びビスフェノールA (BPA) の溶出試験を行った。蒸留水を溶出溶媒として試験を行った結果, ポリ塩化ビニル製のラップフィルム6試料中5試料からNPsが, さらに, そのうち1試料からBPAが溶出することが確認された。ラップフィルム表面積当たりの溶出量はNPsで98~120ng/cm2, BPAでり30ng/cm2であった。なお, 他の材質のラップフィルムからはNPs, BPAとも溶出は認められなかった。さらに, ポリ塩化ビニル製のラップフィルムを用いて4%酢酸及びn-ヘプタンによる溶出試験を行ったところ, BPAの溶出量に変化は認められなかったが, NPsの溶出量はn-ヘプタンによる試験で, 不検出である1試料を除き480~610ng/cm2となり, 蒸留水や4%酢酸の場合と比較して高くなる結果が得られた。