著者
中尾 善隆 橋本 勇希 田淵 昭雄 小野寺 昇
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.107-111, 2007

富士山(海抜3,776 m)は日本一高い山として,登山客が足を運ぶことが多い.しかし,眼圧は気圧により変化することから,登山中の眼圧の変化には注意が必要である.しかし,これまで富士登山と眼圧との関係を報告した例は我々が調べた範囲内ではなかった.今回,我々は富士登山による眼圧の変化を調べるため,実際に登山を行い平地と山頂での眼圧を計測した.対象は正常眼圧で眼科的疾患を伴わない正常成人23名(男性11名,女性12名),平均年齢26歳であった.眼圧測定は接触型眼圧測定機器TONO-PEN^(R) XLを用い,測定者は視能訓練士1名とした.今回,アセタゾラミド服用による眼圧の変化がないことを確認し,高山病予防のため全被検者にアセタゾラミド250 mgを服用させた.登山前の平均眼圧は右眼13.0±2.4mmHg,左眼11.8±2.9mmHg,山頂での平均眼圧は右眼13.1±2.5mmHg,左眼11.8±2.5mmHgであり,これらに有意な差はなかった.この結果は,富士登山による急激な眼圧の変化はないことを示唆した.