著者
橋本 慶隆
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報学部紀要 (ISSN:13471023)
巻号頁・発行日
no.5, pp.29-44, 2004-12

映像記録メディアの変遷を振り返り、今後の課題について考察する。情報を記録する技術は、筆記技術から印刷技術を経て信号記録技術へと変化してきた。さらに、信号記録技術はアナログ方式からディジタル方式へと変化し、マルチメディア時代となった。この流れに沿って、まず映像記録メディアの歴史を概観する。次に、筆者が初期の開発に携わったディジタルVTRを例として、映像記録メディアがアナログからディジタルへ変遷していく過程とディジタル化の意義について述べる。最後に、映像記録メディアに対する課題と期待について述べる。今後も、映像記録メディアの高速・大容量化という目標に向けた技術開発が進められることは疑う余地が無い。一方、長期保存媒体としての性能向上を目指した技術開発も推進されるべきである。文化財保護の意味からも、映像記録メディアを中心とするディジタルアーカイブの今後の発展が期待される。