- 著者
-
橋本 秀子
宮本 謙一
- 出版者
- 日本緩和医療学会
- 雑誌
- Palliative Care Research (ISSN:18805302)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, no.2, pp.207-210, 2007 (Released:2007-10-02)
- 参考文献数
- 10
薬剤師として1980年代にがん患者中心の病棟で臨床に密着した業務を展開する中で, 抗がん剤の副作用やがん末期の諸症状に苦しむ患者を目の前にし, 医師や看護師のがん患者への情報提供と彼らの意見を調査した. その後, 1996年と2005年にも同様の質問を行い, その変化に応じて薬剤師の患者への関わり方を探った. 1988年には72.7%の医師が早期がんでも病名告知しなかったが, 1996年には70%の医師が早期がんのみ病名告知するようになり, 2005年には100%の医師が, 進行度に関係なく病名を告知するとの回答を得た. しかし,「いつまで抗がん剤治療を続けるか」「終末期の症状緩和の技術が未熟である」といった新たな問題が生じており, 薬剤師がスタッフの中で独自の立場で主張することも必要となってきている.