著者
澤田 佳奈 玉置 正史 橋本 秀子 唐鎌 淳 佐藤 洋平 原 睦也 戸根 修
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.62-68, 2016 (Released:2016-01-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

症例は65歳女性で歩行障害と認知機能障害を主訴に来院した. 単純MRIで右前頭側頭葉に腫瘍性病変を認め, 造影MRIでは, わずかに腫瘍辺縁と内部が隔壁状に造影されるのみであり, 髄膜腫に典型的な所見ではなく, また髄膜種に特徴的なdural tail signなどもみられなかった. 開頭腫瘍摘出術を施行しmicrocystic meningiomaと診断した. Microcystic meningiomaの中にはその画像所見が一般的な髄膜腫の画像所見と異なるものがあり, 術前に髄膜腫と診断できないことも多い. 本症例にみられる特徴的な造影MRI所見であるfaint reticular patternがmicrocystic meningioma術前診断の鍵となることがあり, 認知しておくべきものと考える.
著者
橋本 秀子 宮本 謙一
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.207-210, 2007 (Released:2007-10-02)
参考文献数
10

薬剤師として1980年代にがん患者中心の病棟で臨床に密着した業務を展開する中で, 抗がん剤の副作用やがん末期の諸症状に苦しむ患者を目の前にし, 医師や看護師のがん患者への情報提供と彼らの意見を調査した. その後, 1996年と2005年にも同様の質問を行い, その変化に応じて薬剤師の患者への関わり方を探った. 1988年には72.7%の医師が早期がんでも病名告知しなかったが, 1996年には70%の医師が早期がんのみ病名告知するようになり, 2005年には100%の医師が, 進行度に関係なく病名を告知するとの回答を得た. しかし,「いつまで抗がん剤治療を続けるか」「終末期の症状緩和の技術が未熟である」といった新たな問題が生じており, 薬剤師がスタッフの中で独自の立場で主張することも必要となってきている.