著者
橋本 美彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 44 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.99-102, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
4

本研究は,理数教師の教科間連携の必要性を明らかにするために行った.理科「密度」の授業実践と意識調査の結果から,算数・数学科と理科の学習では単位の指導に違いがあることが明らかになった。例えば,算数科「単位量あたりの大きさ」の学習では,車の燃費を比較するとき,「1Lあたり○km走る」と解答し,「○km」が単位になる.しかし,理科「密度」の学習では,「1cm3当たり○g」を「○g/cm3」という単位で表す.小学校算数科の学習で,単位(燃費○km/L,人口密度人/km2,収穫高○t/haなど)や比較の指導を行った.この教科・教師間の連携により,子どもに両教科内容の関連意識やリンゴが水に浮く理由と密度との関係の理解が深まり,子どもの問題解決能力を高める効果があることが認められた.