著者
蔵野 和彦 後藤 四郎 中村 幸男 早坂 太 櫻井 秀人 鴨井 祐二 川崎 健
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

Serreは非特異代数多様体上の二つの閉部分多様体に対して交点数を代数的に定義した。それを非特異ではない代数多様体上に拡張しようという試みは1970年代から考えられてきた。しかし、それは、1980年代にDutta-Hochster-MacLaughlinにより発見された例によって、そのままではうまくゆかないことがわかった。長い間、前述の例は、非常に悪い例であると認識されてきた。しかし、代数的K-理論の発展に伴い、Levin, Roberts, Srinivasは、そのようなことは、非常に自然に起こりうることであることを発見した。本研究により、そのような現象のおこる度合いと、代数サイクルの理論の中での最も重要な予想であるスタンダート予想と関連があることがわかった。もう少し詳しく述べると、体上非特異な射影多様体上ではサイクルの交点数が定義でき、それによってChow環上に数値的同値という同関係が定義できる。ここでは、そのような議論をネーター局所環のChow群やGrothendieck群上で行い、数値的同値をその上で定義して、それて割ることによりラティスが出てくることを示して、基本的な性質を調べた。正規射影多様体の因子類群と、その(正規な)斉次座標環の因子類群の関係を一般化した公式を証明した。これにより因子類群が有限生成自由アーベル群であるような正規射影多様体の全座標環は素元分解環であることが証明できた。正規局所環のフロベニウスのdeterminant射の像と標準加群のdeterminant射の像の関係式を発見した。これによって、ヒルベルト・クンツ関数の第二係数に関する消滅定理か証明できた。
著者
工藤 義之 櫻井 秀人 岡田 伸男 野田 守 中居 賢司
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.331-337, 2015 (Released:2015-08-31)
参考文献数
18

目的 : 植込み型電子機器装着患者の電気的根管長測定と根管内超音波洗浄時の不整脈惹起作用について, 多チャンネル高分解能心電計 (ドリームECG) を用いて検討することを目的とした.  方法 : 根管治療のために超音波洗浄器ならびに電気的根管長測定器の使用が必要であったペースメーカー (PM) 装着者1名, 植込み型除細動器 (ICD) 装着者1名を対象とした. 治療前に循環器内科専門医と歯科麻酔専門医による十分な問診を行い, 4週間以内にICD作動, 致死的不整脈, 心筋虚血, 心不全 (NYHA Ⅲ以上) がないことを確認した. その後, ドリームECGを装着して治療中の循環器動態を測定した. 治療には循環器内科専門医と歯科麻酔専門医が立ち会い, 不測事項発生時への十分な対応のためにAEDや救急薬品をチェアーサイドに配置した.  症例1 : 54歳男性, ICD装着例. 歯科診断 : 下顎左側第一大臼歯慢性化膿性根尖性歯周炎.  症例2 : 80歳女性, PM装着例. 歯科診断 : 上顎左側第一大臼歯慢性化膿性根尖性歯周炎.  根管治療中に電気的根管長測定 (RootZX, Morita) ならびに歯科用多目的超音波治療器 (OSADA Enac 10W, Osada) での根管洗浄を行った.  成績 : いずれの症例でも, ドリームECGで若干のノイズ増加を認めたが, 致死的不整脈, 脱分極指標および再分極指標で異常を認めなかった.  結論 : PMあるいはICD装着患者において, 十分な問診, 歯科治療時の適切な循環動態の把握により, 超音波治療器・電気的根管長測定器を用いた場合でも安全な歯科治療遂行の可能性が示唆された. また, 歯科治療中の循環動態の把握にドリームECGが有効であると思われた.