- 著者
 
          - 
             
             櫻井 謙三
             
             田中 成明
             
             柳澤 俊之
             
             森 華奈子
             
             堀内 正浩
             
             長谷川 泰弘
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本神経学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 臨床神経学 (ISSN:0009918X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.55, no.8, pp.555-560, 2015 (Released:2015-08-21)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 12
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             
             3
             
             
          
        
 
        
        
        経鼻胃管挿入中に両側声帯麻痺をきたした脳梗塞2例,Parkinson病2例を報告する.症例はいずれも著明なるいそうを呈する高齢者であり,低栄養状態であった.経鼻胃管挿入後平均17.8日で両側声帯麻痺をきたし,3例は気管切開術を施行,全例で救命しえた.両側声帯麻痺の原因は多岐にわたり,臨床現場で厳密にnasogastric tube syndrome(NGTS)と診断することは困難だが,本症の可能性を念頭におき,適切に対処することが肝要である.自験例では低栄養状態や低免疫状態がNGTSの危険因子となりうる可能性を指摘したが,今後,危険因子や誘発因子,対処法について症例を重ね検討する必要がある.