著者
長曽我部 まどか 武吉 弘樹 榊原 弘之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_69-I_80, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
50

市民や地域住民自らがコミュニティに存在する問題を解決するためには,コミュニティの問題認識を明確化する必要がある.本研究では,コミュニティの中で市民や住民自らが主体的に問題解決を図る仕組みをコミュニティ・ガバナンス,コミュニティ全体の認識を「社会的文脈」と呼ぶ.社会的文脈は,時系列的に遷移するものと考えられる.そこで,近年の自転車交通問題を例として,コミュニティ・ガバナンスにおける社会的文脈の遷移過程を明らかにした.新聞記事テキストの内容分析を行い,ある特定の語と共起する語群より社会的文脈を特定した.さらに共起語の時系列的な変化より,社会的文脈の遷移過程を明らかにした.近年の自転車交通問題では,自転車の放置問題から,道路空間上での自転車走行のあり方へと社会的文脈が遷移したことを示した.