著者
武田 充司
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.87-91, 2008-02-01
参考文献数
1
被引用文献数
1

<p> 世界の多くの国々の資金協力によって進められてきたチェルノブイリ新シェルター建設プロジェクトは,新シェルター建設工事の実施主体となる事業者が選定され,去る2007年9月17日,ウクライナの首都キエフにおいて,関係者の間で正式契約の調印式が行われた。この契約調印は,世界を震撼させた未曾有の大事故によって崩壊したチェルノブイリ4号機を以後100年にわたって安全に管理する新シェルター建設へ向けて大きな一歩を踏み出したことを意味する画期的な出来事である。筆者は,このプロジェクトの国際顧問団の一員として,当初からプロジェクトの重要な技術的事項の決定に深くかかわってきたので,この機会に,新シェルター建設へ向けてのこれまでの歩みをまとめ,この困難な国際プロジェクトに対する一般の人々の理解を深め,関心を喚起したいと思う。</p>