著者
津曲 茂久 東野 利忠 高木 香 大場 茂夫 佐藤 昌介 武石 昌敬
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.797-801, 1991-10-15
被引用文献数
1

妊娠馬10頭を用いて妊娠1から11ヶ月まで, 血漿中estrogen, gestagen, cortisol (F), 13, 14-dihydro, 15-keto-PGF_2α(PGFM)および妊馬血清性性腺刺激ホルモン(PMSG)を測定した. estron (E_1)とestradiol-17β(E_2)は妊娠8ヶ月前後にピークを示し, progesterone (P)は妊娠3と11ヶ月で増加し, 17α-OH-progesterone (17α-OHP)は妊娠3ヶ月に明瞭なピークを形成した. 20α-OH-progesterone (20α-OHP)は妊娠6ヶ月より急激に上昇した. PGFMは妊娠2と11ヶ月にピークを示し, FとPMSGは妊娠2と3ヶ月にそれぞれピークを示した. 因子分析において, 妊娠月齢, E_1, E_2, 20α-OHPは妊娠進行に伴い増加する変数として第一因子に含まれた. PMSG, 17α-OHP, Pは副黄体に関係する変数として第二因子に, PGFMとFは妊娠2ヶ月における変化により, 第三因子に区分された. Pは第二因子に含まれたが, 第一と第三因子にも影響を受け, PGFMとは対立的な関係性を示した. 結論的には, 第一因子に含まれたE_1, E_2および20α-OHPは妊娠6ヶ月以降の胎盤機能の指標として有用であることが示唆された.
著者
津曲 茂久 市川 康明 鳥海 弘 石浜 賢 森田 光夫 印巻 美佐生 武石 昌敬
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.1003-1005, 2003-09-25
参考文献数
20
被引用文献数
1 7

LHサージ後5日と7日に異なる雄犬からの凍結精液人工授精により得られた16子腹において親子鑑別を実施した.その結果,重複妊娠母犬は25%のみであり,43.8%はLHサージ後5日,31.3%は7日のみの授精で分娩したことが判明した.全87頭中46%の子犬はLHサージ後5日,54%は7日の授精で生まれていた.この結果から凍結精液による犬人工授精はLHサージ後5日と7日でも十分に成功することが示唆された.