著者
植野 壽夫 増田 秀樹 武藤 亜矢 横越 英彦
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.435-441, 2012-09-15 (Released:2012-10-31)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

本研究では,ストレス性疾患として代表的なうつ病と胃潰瘍に対するラベンダー熱水抽出物(Lavender aqueous extract, LAE)の効果を,それぞれの疾患モデルマウスを用いて検討した.抗うつ試験では,うつ病の動物モデルとして汎用さている強制水泳試験(FST)を用いてLAEの長期投与による効果を検証した.1日当たり500-2500mg/kgのLAEを15日間マウスへ反復経口投与することにより,自発運動量に影響することなくFSTにおける無動時間が有意に短縮した.さらに,抗うつ薬であるイミプラミン30mg/kgを15日間反復投与した場合も同様の挙動を示した.これらの結果から,LAEはマウスへの長期投与において抗うつ様作用を有することが示唆された.抗ストレス潰瘍試験では,マウスに強制水泳を負荷することにより発生させた実験的ストレス潰瘍に対して,予め500-2000mg/kgのLAEを単回経口投与することにより,マウスの潰瘍面積が対照群と比べて有意に減少した.以上の結果から,LAEの摂取がストレスに起因するうつ病や胃潰瘍の予防・軽減に有効である可能性が示唆された.