著者
武藤 沙羅 松香 敏彦
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第6回大会
巻号頁・発行日
pp.79, 2008 (Released:2008-11-10)

R. Plomら(1965)は質問紙法を用いて、1オクターブ間における代表的な整数比の和音に対する不協和曲線を発表した。彼らの不協和曲線は、現代も多くの音楽実験などにおいて参照され、協和・不協和を定量的に論じる基礎となっている。本研究は、既存の不協和曲線が数値計算で出されたこと、発表以降の音楽の多様化などから、実測値を用いた再検証を試みた。 本実験では、先行研究で使用された「心地いい-心地悪い」に加え19種の形容詞対を使用し、被験者の複数の和音に対する印象を集計した。 その結果、「心地いい-心地悪い」においては先行研究とほぼ一致した値が得られた。 また、複数の形容詞を用いたことによって、多面的な協・不協和音の性質の考案や、不協和曲線の見直し、新しい解釈の可能性を示すことができた。