著者
武部 聡 横尾 尚哉 水橋 輝 松村 剛 駒野 徹
出版者
近畿大学先端技術総合研究所
雑誌
近畿大学先端技術総合研究所紀要 (ISSN:13468693)
巻号頁・発行日
no.10, pp.29-36, 2005-03

土壌細菌Bacillus thuringiensis subsp. israelensis が保有する遺伝子cyt1A のプロモーター領域およびcry4Aのターミネーター領域を用いてBt 細胞内ではたらく発現ベクターpPcyt1A を構築した。このベクターにCry タンパク質遺伝子をクローン化し、クリスタルを生産しないBt 細胞に導入したところ、Cry タンパク質の発現およびクリスタル形成が確認され、本発現系の有効性が示された。
著者
向井 真也 岩山 順 森永 真二 武部 聡
出版者
近畿大学生物理工学部
雑誌
Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University = 近畿大学生物理工学部紀要 (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
no.19, pp.51-56, 2007-03-01

Bacillus thuringiensis (Bt)が産生する結晶性殺虫タンパク質(クリスタル)の精製法を、双翅目特異的殺虫クリスタル生産菌Bt. subsp. israelensis HD522株およびその変異株を用いて検討した。クリスタル、胞子および細胞破砕物を含む粗抽出液を30-40%NaBr連続密度勾配遠心法を用いて分離したところ、クリスタルは33%NaBr付近に層を形成した。この濃度における密度の理論値は1.318g/cm^3で、Ang & Nickersonの報告にあるBtクリスタルの密度1.32g/cm^3と合致している。SEMを用いた観察では、クリスタル層に胞子の混入はほとんど認められず、SDS-PAGEによる構成タンパク質の確認では、殺虫タンパク質(Cry)の分子量である130kDaタンパク質がメインバンドとして検出された。また、ネッタイシマカ幼生を用いた生物検定では、精製による殺虫活性の低下は認められなかった。