- 著者
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松本 啓吾
武野 計二
大島 義人
小林 真
- 出版者
- 公益社団法人 化学工学会
- 雑誌
- 化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.1, pp.48-54, 2015-01-20 (Released:2015-01-20)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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福島第一原子力発電所事故による放射性物質汚染地域の有効活用のため,草本系エネルギー作物であるエリアンサスを栽培し,ガス化発電するシステムを想定した基礎検討として,ガス化炉を模擬した管型試験炉を用いた基礎試験および平衡計算結果をもとに,放射性物質で最も危険性が憂慮されるCsの各機器への移行について評価した.エリアンサスを用いた管型試験炉による基礎試験の結果,電気炉後流の冷却過程におけるCs回収率は,ガス化時に近い熱分解条件では0.4%以下となり,燃焼条件(10%以上)に比べて非常に低いことが示された.この理由を平衡計算により考察した結果,燃焼条件では低温でも高分圧で存在するCsNO3が熱分解条件では生成しないためであることが示された.また,マスヒートバランス検討をもとに放射性物質の気相中への飛散や排水中への混合を極力低減したガス化システムを提案し,平坦農地を確保可能な福島県浪江町の居住制限区域を例としてケーススタディを実施した結果,ガス化プロセスが放射性物質汚染地域活用の有効な手段のひとつであることが示された.