- 著者
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毛利江元壽<毛利梅園>//〔画〕
- 出版者
- 写
- 巻号頁・発行日
- 1827
毛利梅園(1798-1851)は幕臣で御書院番、名は元寿(もとひさ)、別号は写生斎・写真斎・写真洞など。当館は本資料のほかにも、その自筆画譜の大半―『梅園魚譜』『梅園禽譜』『梅園草木花譜』『海石榴花譜』『梅園菌譜』『草木実譜』を所蔵する。梅園の画譜は、1.各品の特徴がよくわかる、2.江戸時代の図譜には転写図が多いが、梅園の図はほとんどが実写である、3.大半の図には写生年月日が記されている、4.採集地や、何処で買ったか、誰から借用したかなど、入手経緯の記載を伴うことが少なくない、などの点で優れている。『草木実譜』以外は折帖である。本図譜は、江戸時代の介類(堅い殻を持ち、水中で生活する)計283品を、水虫類(エビ・カニ・ナマコなど)52品、亀鼈(カメ)類5品、蛤蚌類(ごうぼうるい、現在の貝類ほか)226品と分けて所収している。ただし、二枚貝と巻貝、海産種と淡水産種は混在している。写生年代は天保3~10(1832-39)が多い。当館は本書の写本(寄別4-2-2-7)も所蔵するが、これも優れた転写図譜である。:『梅園魚品図正』『梅園草木花譜』解題、『参考書誌研究』41号参照(磯野直秀)