著者
水戸 郁夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.1136-1153, 1990-09-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
47

光ヘテロダイン検波による高感度受信,あるいは光周波数帯の高効率利用などの魅力を有するコヒーレント光通信の高性能化を進めていくには,波長(周波数)可変な半導体レーザーが必要不可欠である.ここでは,波長可変の基本動作原理となる半導体の屈折率変化に関する考察を行った後, DFBレーザー, DBRレーザーを基本とする波長可変半導体レーザーの特性を概観する.また,発振スペクトル線幅,波長スイッチング動作の振る舞いを論じた後,光FDM (Frequency Division Multiplexing) 伝送実験,波長分割光交換実験などへの応用例を述べる.また,波長可変半導体レーザーを組み込んだ光集積素子の開発も進展しており,最近の研究開発状況を報告する.