著者
水谷 民子 藤崎 洋子 馬場 実 吉住 昭
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.700-705,752-75, 1971
被引用文献数
2

新潟地方にハンノキの分布が多いことに注目し, ハンノキ喘息と考えられた2例の定型的な症例を報告した.1) 新潟地方のハンノキ空中花粉は, 3月中旬から5月中旬にかけて飛散し, 4月末から5月初めに高値を示した.2) 1, 000倍ハンノキ抗原液で皮内反応を行ない, 新潟地方では105例中27例, 25.7%, 東京地方では36例中4例, 11.1%が陽性であった.3) 15例について稀釈試験を行ない, 10^<-5>が1例, 10^<-4>が1例, 10^<-3>が13例であった.4) 9例にPK試験を行ない, 8例が陽性であった.5) 9例に吸入誘発試験を行ない, 2例が陽性であった.6) 2例の定型的ハンノキ喘息を診断した.7) ハンノキ皮内反応陽性例に, ヤマハンノキ皮内反応, 稀釈試験, PK試験を行ない, 共通抗原の存在が疑われる成績が得られた.