著者
足立 雄一 五十嵐 隆夫 吉住 昭 萱原 昌子 足立 陽子 松野 正知 村上 巧啓 岡田 敏夫
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.40-45, 1991
被引用文献数
2

4例の食物依存性運動誘発性アナフィラキシーを経験した. それぞれの臨床症状について検討し, さらに全員に運動負荷を行い, その前後でCom48/80を用いた皮膚テストを実施した. 症例は男児1名, 女児3名. 13-16歳に発症し, 誘因はエビなどの甲殼類が2名, 小麦およびポテトが1名, 小麦が1名であった. いずれもRASTにて特異的IgE抗体を証明し得た. 運動はランニング, バレーボール, 早足歩行であり, 食後10分から2時間に運動することで発症している. 全員に蕁麻疹を認め, それ以外に意識消失や呼吸困難を認めた. 運動負荷のみでは全員無症状であったが, Com48/80に対する皮膚反応は3例において運動前に比して運動後に増大傾向を認めた. 以上より, 本疾患の発生機序としてアレルギー反応の関与が示唆されたが, 運動による皮膚肥満細胞の活性化の可能性については今後の課題である.
著者
高田 恒郎 吉住 昭
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.110, no.9, pp.369-370, 1996-09

As a member of the medical aid staff of Niigata prefecture, I stayed and worked for the children physically and mentally damaged by the devastating disaster in Nagata-ku, Kobe, from January 31 to February 7, 1995. There were few patients in a critical condition, because it was two weeks after the disaster, when I arrived there. However, there were adverse influences on children's psychosomatic states. Some children apeared apathetic and wouldn't smile, and great anxieties against coming aftershocks and irregularities in daily life were observed in other children. Several schools were partially reopened on February 4. Children complaining PTSD (psychological post-traumatic stress disorders) like symptoms just after the disaster, gradually got better after resuming their school life and begining to play as vigorously as before in the ground. It was impressed that resuming school life as soon as possible might be important for suffering children.
著者
水谷 民子 藤崎 洋子 馬場 実 吉住 昭
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.700-705,752-75, 1971
被引用文献数
2

新潟地方にハンノキの分布が多いことに注目し, ハンノキ喘息と考えられた2例の定型的な症例を報告した.1) 新潟地方のハンノキ空中花粉は, 3月中旬から5月中旬にかけて飛散し, 4月末から5月初めに高値を示した.2) 1, 000倍ハンノキ抗原液で皮内反応を行ない, 新潟地方では105例中27例, 25.7%, 東京地方では36例中4例, 11.1%が陽性であった.3) 15例について稀釈試験を行ない, 10^<-5>が1例, 10^<-4>が1例, 10^<-3>が13例であった.4) 9例にPK試験を行ない, 8例が陽性であった.5) 9例に吸入誘発試験を行ない, 2例が陽性であった.6) 2例の定型的ハンノキ喘息を診断した.7) ハンノキ皮内反応陽性例に, ヤマハンノキ皮内反応, 稀釈試験, PK試験を行ない, 共通抗原の存在が疑われる成績が得られた.