著者
上村 靖司 永井 宏幸 宝地戸 謙介 伊藤 親臣
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.163, pp.19-27, 2010-10-05

2006年4月に33tの雪室をビルトインした住宅が新潟県小千谷市に建築され,2006から2008年にかけて,雪室の貯雪性能,雪冷房システムの冷房性能,空気清浄効果についての実証試験が行われた.雪室に入れて貯蔵された雪は,3室26畳の空間をひと夏通じて冷房しても9月中旬頃まで残った.冷房室は設定された25〜27℃に維持され,市販のエアコンに比べてそん色ない性能を発揮した.湿度は,雪表面における除湿効果で連続運転によって50%以下にまで下がった.粉塵量・臭いレベルの測定から,空気清浄効果が確認でき,特に高い除塵効果が示された.雪冷房運転のための電力消費は,3室合計で年間1500円以下であり,成績係数は平均11程度となり,エネルギー効率の高い冷房であることが示された.
著者
南谷 臣昭 永井 宏幸 中村 昌司 大塚 公人 坂井 至通
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.177-182, 2012-08-25 (Released:2012-11-07)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーにより,U-8容器を使用して牛肉の放射性セシウム分析を行う際の,検出限界と測定精度を評価した.2,000秒測定の134Csと137Csの検出限界の和は,およそ20 Bq/kgとなり,暫定規制値レベルの放射性セシウムを含む牛肉(491 Bq/kg)の測定値の99%信頼区間は,447~535 Bq/kgとなった.牛肉は筋肉層と脂肪層が複雑に入り組んだ不均一な試料であるため,サンプリング箇所によって測定値が変動する.本研究で,筋肉層と脂肪層の放射性セシウム濃度には明らかな差があり,同じ首の部位の測定結果にも変動が見られる(SD=16.9 Bq/kg)ことが明らかとなった.