著者
山田 明義 小林 久泰
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.41-42, 2008
参考文献数
16
著者
河村 史紀 馬場崎 勝彦 山田 明義
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会50周年記念大会
巻号頁・発行日
pp.160, 2006 (Released:2007-06-05)

外生菌根菌にはマツタケやホンシメジなどの優秀な食用菌が多く含まれている.これらの菌はこれまで菌根合成実験が多数報告されているが,子実体の発生まではほとんど調べられていない.また,菌根合成実験においては限られた植物-菌の組み合わせしか行われておらず,各菌種の菌根形成能をある一定の基準のもとに相対的に評価することは行われていない.本研究では,多様な外生菌根菌を用いて菌根形成能と菌根実生の順化に関する基礎データの蓄積を目的として実験を行った. 研究室保有の外生菌根菌41種64菌株,腐生菌10種11菌株を実験に供試した.宿主植物には無菌発芽させたアカマツ(Pinus densiflora)とユーカリ(Eucalyptus dives)を用いた.菌根合成実験は,セロファンを敷いた寒天培地上で行う簡易合成系と,バーミキュライトを支持体としてガラスビンで行う長期合成系を用いた.簡易合成系で75,90日,長期合成系で120日間培養(20-22°C, 5000lux)を行った.その後,アカマツの長期合成系で作出した菌根苗は有機層又は無機層土壌(共に滅菌土壌)を含む500mlガラスビンへ移植して順化を試み,上記と同様の条件で6ヶ月間培養した. アカマツの簡易菌根合成系において20種27菌株で菌根が形成され,長期合成系においては31種51菌株で菌根が確認された.長期菌根合成系では高頻度で菌根の形成が見られたが,採取植生がアカマツ林であるキアブラシメジ,ヤマドリタケモドキ,シラタマタケ,ケロウジ,アカハツなどでは菌根が形成されなかった.ユーカリの長期合成系においてアシナガヌメリ,ガンタケ,オオキツネタケなどで菌根が形成された.菌根苗順化実験では供試した31種51菌株のうち,28種48菌株において菌根の順化に成功した.土壌条件間での比較では,有機層で地上部の成長が良好で,無機層で地下部の成長が良好な傾向が認められた.
著者
山田 明義 増野 和彦 福田 正樹
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.9-15, 2012

通称「シメジ類」には,少なくともホンシメジ(Lyophyllum shimeji),シャカシメジ(L. fumosum),そしてハタケシメジ(L. decastes)の3種が含まれる.ホンシメジはこれらシメジ類の中でも特に重宝される.日本国内おけるこれら3種シメジ類の学名が定着したのは,1970年代中盤以降である.近年,ホンシメジについて,交配実験をもとにした生物学的種の検討や,分子系統学的解析をもとにした国内産と海外産の標本の比較がなされるようになってきた.本論では,日本産ホンシメジに関するこれまでの分類学的経緯および今後の分類研究の展開について論じるものである.
著者
山田 明義 小林 久泰
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.41-42, 2008-06-01 (Released:2017-07-10)
被引用文献数
1
著者
遠藤 直樹 山田 明義
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第55回大会
巻号頁・発行日
pp.81, 2011 (Released:2012-02-23)

テングタケ属タマゴタケ節(Oda and Tanaka 1999)には,A. caesarea,タマゴタケ(A.hemibapha),キタマゴタケ(A.javanica)など食用価値の高い種が含まれる.しかし,これら菌種では,純粋培養の困難さから菌根苗を用いた人工栽培研究は殆ど行われていない.演者らは昨年の本大会においてタマゴタケ節菌種の菌根合成を報告した.本研究では,タマゴタケ節菌種を定着させたアカマツ菌根苗の順化について検討するとともに,供試菌株の分子系統解析を行うことを目的とした. 菌根合成によりタマゴタケ節菌種を定着させたアカマツ菌根苗を作出した:タマゴタケEN-3株(山梨県鳴沢村産)で8苗,同EN-31株(長野県伊那市産)で3苗,同Asahikawa2-2株(北海道旭川市産)で4苗,キタマゴタケEN-4株(長野県松川町産)で1苗,ドウシンタケEN-29株(長野県南箕輪村産)で1苗.EN-3株とEN-4株を定着させた菌根苗は,滅菌したA層B層混合土壌を詰めた素焼き鉢に植え付け,ガラス温室内の地面に埋設し,最大350日間養苗した.EN-31株,Asahikawa2-2株,EN-29株を定着させた菌根苗は,滅菌したA層B層混合土壌を詰めた250ml容のポリカーボネートポットに植え付け,インキュベータ内の20℃,8000ルクス連続照明下で,最大180日間の養苗した.温室順化の結果,EN-3株を定着させた菌根苗では8苗中6苗で菌根が生残し,菌根量はいずれも顕著に増加していた.EN-4株を定着させた菌根苗では,菌根の生残は認められたが,菌根量の増加は殆ど見られなかった.インキュベータ内での順化の結果,供試した全ての苗で菌根の生残が認められたが,菌根量の増加は必ずしも顕著ではなかった.順化後の菌根の形態観察では,タマゴタケとキタマゴタケの菌鞘構造が酷似していたが,ドウシンタケでは異なっていた.ITS領域の塩基配列をもとにNJ法により系統解析した結果,タマゴタケ3株はいずれも同一クレードを形成した.キタマゴタケでは,EN-4株とEN-62株(大分県産)が同一クレードを形成したが,茨城県産標本は異なるクレードを形成した.
著者
加藤 隆文 米良 仁志 前田 岳 細山田 明義
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.217-222, 2002-07-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

Electroconvulsive Therapy(以下ECT)においてプロポフォールまたはチオペンタールにて麻酔し,投与量の増減によってそれぞれを2群に分け,ECTによる痙攣時間と循環動態の変動を検討した.両薬剤ともに投与量が増すと循環動態は安定したが,投与量が少ないとチオペンタール群で変動が大きかった.プロポフォールは投与量を増すと痙攣時間が有意に短くなったが,チオペンタールは投与の増量による痙攣時間の短縮幅が小さかった.痙攣時間の観点からはプロポフォールの投与量は1.4mg・kg-1までにとどめるべきである.プロポフォールは,循環制御のため投与量をそれ以上増すと肉眼的観察をする限りECTの痙攣時間が短縮してしまう点でECTの麻酔として望ましくない.
著者
菊池 幸恵 樋口 比登実 増田 豊 橋本 誠 岡本 健一郎 八代 亮 細山田 明義
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.19, no.10, pp.609-612, 1999-12-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
10

要旨 レーベル遺伝性視神経症(以下Leber病)の診断にて眼科的治療を受けるも回復せず,星状神経節ブロック(以下SGB)を施行し,両眼視力回復が認められた症例を経験した.症例は20歳男性.当科初診時視力(以下すべて矯正視力)は右眼0.07,左眼0.02,視野上大きな中心暗点を認めた.急性期の右眼に対し,1日2回のSGBによる治療を開始し,治療開始7ヵ月後(左右SGB合計約200回),視力右0.6,左0.2,視野上も中心暗点が縮小し,中心視力も出現,週1回の外来通院となっている.眼疾患に対するSGBの作用機序は未知の部分も多いが,副作用なく長期にわたって治療可能なSGBは,治療法の一つとして選択されうると考えられた
著者
小堀 正雄 高橋 厳太郎 岡本 健一郎 増田 豊 細山田 明義
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.563-567, 1987-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
6

濃厚赤血球液を使用する場合, 稀釈する溶液として一般に生理食塩水が用いられる.しかし, 大量輸血の場合には稀釈液による電解質の負荷が増す.そのため, 稀釈液に電解質を含まない糖質を使用した場合の赤血球の溶血度および溶液中のカリウム値の変化を測定した.20歳代男性からCPD液用採血バックに採血し, 採血当日血, 保存1週間目, 3週間目の3群に分けた.実験に先立ち, 血漿成分の影響をとり除き, 赤血球の抵抗性を調べるため洗浄赤血球液を作成した.添加する溶液は生理食塩水をコントロールとし, 10%マルトース液, 5%キシリトール液, 5%, 10%グルコース液とした.10%グルコース液以外は血液との浸透圧比は1である.これらの溶液を洗浄赤血球液と同量加え, 室温で2, 6, 24時間放置し, 各溶液の遊離ヘモグロビン値, カリウム値を測定した.その結果, 10%マルトース液, 5%キシリトール液は保存期間, 放置時間をとわず, 遊離ヘモグロビン値, カリウム値は生理食塩水とほぼ同様の傾向を示した.しかし, 5%グルコース液では, 血液の保存期間をとわず, 2時間後にはすでに高度な溶血を示した.一方, 10%グルコース液は比較的溶血が少なく, 溶質の赤血球内への流入により添加溶液の低張化がある程度抑えられたことが示唆された.また, キシリトール液, グルコース液でpHの異った溶液を作成し, 遊離ヘモグロビン値の差を測定した.その結果, 溶液中のpH5~9の範囲内では, 血液の溶血度には何ら影響がないことが示唆された.
著者
村上 平 榊原 宣 堤 京子 田中 三千雄 丸山 正隆 鈴木 茂 橋本 忠美 金山 和子 長谷川 利弘 吉田 操 山田 明義 鈴木 博孝 遠藤 光夫
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.623-629_1, 1978

Early-stage cancer located on the upper part of the stomach, especially near the esophagogastric junction, is still difficult to diagnose, and frequently undiscoverd until it is too late. Minute cancers so far discovered, in particular, are few in number, and much remains obscure about their morphology, , including such problems as strophic and metaplastic changes in the mucous membrane over the said area. We looked into diagnosis and morphology of minute cancers of the said region in patients encountered by us. Subjects consisted of 12 patients with early-stage gastric cancer the size of 2 cm or less in maximum diameter, a margin of which was within distance of 2 cm from the junction. Total 13 such lesions were found in them. Our findings were as follows : (1) Straight-view fibescope is more useful in observation snd biopsy of small lesions adjacent to the junction, while lateral-view fiberscope has slight advantages with small lesions off the junction, (2) of small, early-stage gastric cancers near the junction, those adjacent to the junction are frequently protuberant, and those off the junction tend to be concave, (3) the majority of small, early-stage gastric cancers near the junction are histologically highly differentiated.
著者
山田 明義
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-17, 2002-01
被引用文献数
1

日本の野生きのこ類の主要な位置を占める菌根性きのこ類について、食資源としての利用性を明らかにすることを目的に、文献調査を行った。その結果、これまでに300種を超えるきわめて多様なきのこ類が利用されており、今後さらに研究の進展にともない、より多くのきのこ類が利用される可能性のあることが示唆された。これら菌根性きのこ類は、これまで殆ど人工栽培の研究が行われていなことから、産業利用の見地からは研究の必要性が指摘された。
著者
山田 明義
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.38, no.1-2, pp.1-17, 2002 (Released:2011-03-05)

日本の野生きのこ類の主要な位置を占める菌根性きのこ類について、食資源としての利用性を明らかにすることを目的に、文献調査を行った。その結果、これまでに300種を超えるきわめて多様なきのこ類が利用されており、今後さらに研究の進展にともない、より多くのきのこ類が利用される可能性のあることが示唆された。これら菌根性きのこ類は、これまで殆ど人工栽培の研究が行われていなことから、産業利用の見地からは研究の必要性が指摘された。
著者
山田 明義
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要
巻号頁・発行日
vol.38, no.1-2, pp.1-17, 2002-01-31

日本の野生きのこ類の主要な位置を占める菌根性きのこ類について,食資源としての利用性を明らかにすることを目的に,文献調査を行った。その結果,これまでに300種を超えるきわめて多様なきのこ類が利用されており,今後さらに研究の進展にともない,より多くのきのこ類が利用される可能性のあることが示唆された。これら菌根性きのこ類は,これまで殆ど人工栽培の研究が行われていなことから,産業利用の見地からは研究の必要性が指摘された。
著者
山田 明義
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

菌根性食用きのこが地域再生に貢献できる前提として,山林を活用した栽培技術の開発が挙げられよう.腐生性きのこの菌床栽培技術をそのまま応用しただけでは,必ずしも地域再生には結びつかない.マツタケで言うならば,経験的なマツタケ山の施業を元にしつつ,施業内容の科学的な再検証と,新たな生物工学的技術の導入が考えられる.また,野生食用きのこの資源価値を吟味することも大いに意義があろう.戦後,菌根性きのこを含む野生きのこの収穫や生産は,栽培きのこの量産化に伴ってその価値が低下した.しかし,食文化の成熟とともに,菌根性きのこにしかない風味や食感に対するニーズが,今後大きくなると予想される.また,欧米のきのこという見られ方の強いトリュフ,ポルチーニ,シャントレルも,実は国内の山林に自生する.このため,まずは,資源となる菌根性きのこが地域にはどのくらいあるのか明らかにし,その活用法や活用先について知恵を絞る手が考えられる.同時に,地域の山林でどの菌根性きのこをどのくらい収穫したいのかといった青写真をかざしながら,菌根苗の生産と植林や,菌床埋設によるきのこ山の造成などの技術面を詰めていく手が考えられる.
著者
山田 明義 久我 ゆかり 小倉 健夫 増野 和彦
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.マツタケ菌根合成系にエビオス(窒素源)を添加することで,苗の生育不良を回避できることを明らかにした.2.新たに開発した二層培養法により大量調製したマツタケとショウロの土壌接種源を野外の自然土壌条件下でアカマツ実生に接種した結果,ショウロでは外生菌根の形成に成功し本技術が実用的側面を有することを明らかにした.3.アミタケ,ショウロ,シモフリシメジ,ホンシメジの菌根苗を直接野外条件下に大量に植え付けた結果,菌株によっては十分な菌根の増殖が見られ,菌根苗定着の実用的な技術になりうる事を明らかにした.4.マツタケ類、イグチ類、チチタケ類を含む39種64菌株について菌根苗をポット培養し順化した結果,シモフリシメジ,ミネシメジ,クマシメジ,スミゾメシメジの4種で子実体発生に成功した.5.マツタケ,アミガサタケ,チャナメツムタケで複数の菌株を確立し培養特性を把握した.このうちマツタケでは,チョウセンゴヨウ,ヒメコマツ,ならびにドイツトウヒとも菌根形成する事を明らかにした.6.ハルシメジがウメの実生根系にも菌根を形成することを明らかにし,また,ウメ苗木根系に胞子散布することで菌根形成させうる事も明らかにした.これにより,ウメ苗木とハルシメジ胞子を用いた実用的な菌根苗作出が可能なことを明らかにした.7.マツタケのシロに接してアクリルチューブを埋設し,ミニリゾトロンを用いて継続観察した結果,チューブ近傍でのシロの回復は必ずしも速やかではなく,他の菌根菌が散発的に増殖しうることを明らかにした.8.ミニリゾトロンを用いてクリタケの土壌中での動態を長期継続観察した結果,菌糸束の発達,分枝,分解と再形成といった動的挙動があり,菌糸束が地中での菌糸体拡散において重要な役割を果たしうることを明らかにした.発達した菌糸束の顕微鏡観察により,主に外層と内層からなる二重構造が形成されることを明らかにした.
著者
小堀 正雄 根岸 秀 細山田 明義
出版者
克誠堂出版
雑誌
麻酔 (ISSN:00214892)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.p225-231, 1992-02
被引用文献数
9