- 著者
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宮倉 崇
大越 加奈恵
水上 潤哉
室 繭子
山本 真実
荒井 佳恵
永井 彩子
入澤 亮吉
山崎 正視
坪井 良治
- 出版者
- 公益社団法人 日本皮膚科学会
- 雑誌
- 日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
- 巻号頁・発行日
- vol.118, no.2, pp.213-219, 2008-02-20 (Released:2014-12-03)
2005年末のフィナステリド(プロペシア®)の発売以来,東京医科大学病院皮膚科では2006年11月までに449名の患者が内服治療を受けている.初診時に男性型脱毛症の病型分類と患者の体毛の濃さを診察し,あわせて家族歴,環境因子,現在までの治療,内服薬への期待などについてアンケート調査を行った.また,6カ月以上内服した症例については,使用前の臨床写真と比較して有効性を判定した.これらの調査の結果,受診患者のNorwood-Hamilton分類は軽症のII型が43%,III型が17%と両者で約半数を占め,重症のVI型,VII型は10%以下であった.有効性の判定では,「やや改善」以上は内服半年後で66%であった.髭,胸毛,四肢など体毛同士の比較では,その他の体毛と比べて髭,下肢が濃い傾向が認められた.家族歴では患者の父親に男性型脱毛症があるのが68%で,祖父は44%であった.また,内服脱落例は全体の17%であり,受診時年齢,家族歴,飲酒の有無が脱落症例と関連が認められた.内服経過中に重大な副作用を生じた症例はなく,服用中止は1例であった.