著者
永山 雅大 原田 一 永山 広樹
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.500, 2017 (Released:2017-06-29)

東日本大震災のような広域災害発生時、特に津波や洪水といった災害は円滑な避難誘導が必要とされる。避難をする際、避難経路の方向を示すサインや情報掲示板はあるが、避難誘導サイン間の距離があるなど避難経路が明確でない場合がある。短時間で安全なエリアまで到達するためには、十分とは言えない環境が多く、特に沿岸や河川の周辺は、より円滑な避難誘導が必要とされる。 本研究では、東日本大震災を経験した教訓から、従来の避難誘導方法の考え方を見直し、文字やピクトグラムなどを用いた現状の誘導サインだけに頼らず、歩行者、観光客、老若男女を問わず、全ての人が直観的に理解でき、適切な方向へ誘導可能なLED照明を用いた避難誘導の方法を開発することを目的とする。 研究方法は、東日本大震災発生において被害を受けた、宮城県名取市閖上地区の状況調査やアンケート調査から、問題点や避難誘導に際して重要である要素について分析を行った。得られた結果から、LED照明を用いた避難誘導サインユニットを試作、その有効性を検証、改良を行う。