- 著者
-
森安 史典
糸井 隆夫
永川 裕一
土田 明彦
- 出版者
- 日本膵臓学会
- 雑誌
- 膵臓 (ISSN:09130071)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.2, pp.210-218, 2015-04-20 (Released:2015-05-08)
- 参考文献数
- 22
IRE(Irreversible electroporation)は,2008年に米国で市販され,軟部組織の悪性腫瘍の治療に広く使われるようになった.中でも膵癌は放射線療法以外によい局所療法がないことから,IREの治療対象として注目されている.IREはnon-thermal ablationの局所治療法であり,胆管,膵管,血管,消化管などの構造を温存して,細胞のみに細胞死を惹起せしめることから,切除不能局所進行膵癌の治療法として期待されている.本稿では,IREの原理から臨床応用まで,膵癌の新治療法について概説する.