著者
田代 隆良 永田 奏 出田 順子 安藤 悦子
出版者
長崎大学
雑誌
保健学研究 (ISSN:18814441)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.43-48, 2006

長崎大学医学部保健学科の看護学生270人(1年生68人,2年生68人,3年生68人,4年生66人)を対象に死生観に関する自記式アンケート調査を行った.学生は,死を「永遠の眠り」「肉体と精神の眠り」「神秘・不可解なもの」と捉え,学年間に違いは認められなかった.自分の死に関してもっとも嫌なこととして,「物事を体験できなくなる」「予定していた計画や仕事ができなくなる」は1年生に,「痛み・苦しみ」は4年生に多く,有意差が認められた.死生観に影響を与えた因子は「身近な人の死」「テレビ・映画」「葬儀への参列」「読書」の順であり,学年間に違いは認められなかったが,「講義」「実習」は4年生が有意に多かった.しかし,講義や実習の影響は学生の期待よりも小さく,日々の授業において死の準備教育を行う必要があることが示唆された.