著者
江㞍 晴美 篠崎 惠美子
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.9-18, 2020 (Released:2020-06-06)
参考文献数
36

目的:集中治療後症候群(post intensive care syndrome;PICS)に対する看護支援の国内外の既存の文献をレビューすることで、国内のPICSに対する看護支援を検討する基礎的資料とする。 方法:CINAHL、PubMed、医学中央雑誌Web版を用いて、過去10年間の英語または日本語の文献を検索し、重複等を除外して研究目的に該当する14文献を対象とした。マトリックス方式を用いたうえで1編ずつコードとして表し、類似したコードをグループ分けした。 結果:PICSに対する看護支援は、離床に関する文献(2 件)、ICU(intensive care unit, 集中治療室)日記に関する文献(2 件)、継続的支援と評価に関する文献(9 件)、集中治療を受けた患者の語りに関する文献(1 件)に大別された。14文献の国別では、北欧7件、オランダ2件、米国5件で国内の文献は見当たらなかった。 考察:本研究の結果から、PICSに対する看護の動向として、離床とICU日記に関する内容、継続的支援と評価、集中治療を受けた患者の語りが行われていると考える。国内のPICS に対する看護支援の課題として、PICS について看護師が理解を深めて患者への長期的な支援を行うとともに支援の評価が重要である。また、多職種による継続的な支援体制の体系化が必要である。
著者
江㞍 晴美 篠崎 惠美子
出版者
日本クリティカルケア看護学会
雑誌
日本クリティカルケア看護学会誌 (ISSN:18808913)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.11-20, 2021-03-31 (Released:2021-06-15)
参考文献数
28
被引用文献数
2 1

【目的】PICS(post intensive care syndrome,集中治療後症候群)アセスメントツールを作成し,妥当性と信頼性の検証を行う.【方法】先行研究に基づき78項目の作成と構成を行った.内容妥当性の検証は,各項目を「妥当である」~「妥当でない」の4段階で評価を求めた.信頼性の検証は,4事例の患者情報用紙と動画を見てもらい,ツールを用いた評価を求めた.【結果】内容妥当性の検証では,項目の採用基準を満たさなかった項目は,「70歳以上」「ICU日記」など8項目であった.「ICU日記」を除く7項目を削除したツール全体の妥当性は0.902であった.この結果よりツールの修正を行い,50項目に対して評価者間信頼性の検討を行った.ツール全体のκ係数は0.58で,中程度の一致度が確認された.正確度および所要時間を考慮し,最終的に37項目に修正した.【結論】PICSアセスメントツールの内容妥当性と信頼性を確認でき,PICSを日常的にアセスメントできる可能性が示唆された.