著者
鈴木 徹 伊東 元 江原 皓吉 齋藤 宏
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.409-413, 1986-10-10 (Released:2018-10-25)
被引用文献数
2

健常成人22名の利き手を対象に手関節測定肢位を掌背屈および橈尺屈の組み合わせで13肢位に定めて握力を測定し,手関節肢位と握力の関係について検討した。最大握力を発揮する手関節肢位は背屈20゜前後で,橈尺屈0゜より軽度尺屈位であった。この肢位を力の頂点とし,手関節をいずれの角度に偏位しても握力は減少し,とくに掌屈位では著明な減少を示した。手関節肢位の違いによって握力差が生じるということは,握力の測定や増強訓練時において,その点に十分留意する必要性を示唆している。