著者
江口 恭三 前原 為矩
出版者
Japanese Society of Breeding
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.39-48, 1979

近年沖縄県下で古い在来種タバコの子孫と思われる12の自生タバコの種子が蒐集されたが,これらの蒐集系統について,形態特性ならびに主要病害に対する抵抗性を調査するとともに育種素材としての有用性を検討した。これら蒐集系統の問にはきわめて広範な形態変異がみられ,草丈は95.3cmから171.9cm,葉数は9.8枚から17.3枚,葉型指数は0.471から0.764まであり,葉型には有柄と無柄,花色にはピンク,白,ピンクと白の絞りの3種類があった。病害抵抗性については,いずれも黒板病とうどんこ病にはある程度の低抗性を示したが,立枯病にはほとんどが罹病性で,疫病には高度抵抗性から罹病性まで広範な変真が認められた。従来わが国の在来種の中には疫病に対して高度な低抗性を示す品種はみつけられておらず,本試験で高度な低抗性を示した系統は育種素材として有用であると推察された。
著者
江口 恭三 前原 為矩
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.39-48, 1979-03-01

近年沖縄県下で古い在来種タバコの子孫と思われる12の自生タバコの種子が蒐集されたが,これらの蒐集系統について,形態特性ならびに主要病害に対する抵抗性を調査するとともに育種素材としての有用性を検討した。これら蒐集系統の問にはきわめて広範な形態変異がみられ,草丈は95.3cmから171.9cm,葉数は9.8枚から17.3枚,葉型指数は0.471から0.764まであり,葉型には有柄と無柄,花色にはピンク,白,ピンクと白の絞りの3種類があった。病害抵抗性については,いずれも黒板病とうどんこ病にはある程度の低抗性を示したが,立枯病にはほとんどが罹病性で,疫病には高度抵抗性から罹病性まで広範な変真が認められた。従来わが国の在来種の中には疫病に対して高度な低抗性を示す品種はみつけられておらず,本試験で高度な低抗性を示した系統は育種素材として有用であると推察された。
著者
江口 恭三 岡 克
出版者
Japanese Society of Breeding
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.45-50, 1966

栽培品種ヒックス・ブロードリーフから葉数の4~5枚多い低度多葉型個体を選抜し,育成固定をはかったが,固定系統が得られなかったので,その遺伝的原因を研究し,つぎのことを明らかにした。1)低度多葉型個体の自殖次代または通常品種との交雑次代において,普通型個体と多葉型個体とがそれぞれ1:2または1:1の割合に単性遺伝の分離を示した。2)多葉型個体は普通品種より高度の短日性を示す劣性遺伝子をもつヘテロ型であり,劣性ホモ個体は出現しなかった。3)劣性ホモ個体は接合体致死作用により不稔種子と在り枯死しているものと考えられた。4)接合体致死作用は劣性の短日性遺伝子がホモの場合にのみ認められ,両者はきわめて密接な関連をもっていた。
著者
江口 恭三 岡 克
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.45-50, 1966-03-25

栽培品種ヒックス・ブロードリーフから葉数の4〜5枚多い低度多葉型個体を選抜し,育成固定をはかったが,固定系統が得られなかったので,その遺伝的原因を研究し,つぎのことを明らかにした。1)低度多葉型個体の自殖次代または通常品種との交雑次代において,普通型個体と多葉型個体とがそれぞれ1:2または1:1の割合に単性遺伝の分離を示した。2)多葉型個体は普通品種より高度の短日性を示す劣性遺伝子をもつヘテロ型であり,劣性ホモ個体は出現しなかった。3)劣性ホモ個体は接合体致死作用により不稔種子と在り枯死しているものと考えられた。4)接合体致死作用は劣性の短日性遺伝子がホモの場合にのみ認められ,両者はきわめて密接な関連をもっていた。