著者
下川 瑞貴 江頭 孝幸 野口 大介
出版者
Japan Society for Science Education
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.127-130, 2023-02-23 (Released:2023-02-21)
参考文献数
17

「炭酸アンモニウム」は不安定な物質であり,市販品は炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムの混合物とされる.炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムには結晶構造が知られており,最近では炭酸アンモニウムについても一水和物の結晶構造が報告された.こうした結晶構造データを効果的に用いれば,高校化学の無機物質分野におけるより魅力的な授業を展開できるかもしれない.すなわち,簡易型アンモニアソーダ法の生徒実験を湯煎および氷冷による二通りで実施すれば,高温と低温で生じる違いを事前に予想させつつ,観察に目的意識を持たせることができる.そして反応温度により生成物が異なることに気づかせ,思考を深めさせることも期待できる.結晶構造を立体的に表示すれば,視覚的理解に基づくさらに発展的な学習も可能だろう.
著者
下川 瑞貴 江頭 孝幸 野口 大介
出版者
日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 = JSSE Research Report (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.127-130, 2023-02-23

「炭酸アンモニウム」は不安定な物質であり,市販品は炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムの混合物とされる.炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸アンモニウムには結晶構造が知られており,最近では炭酸アンモニウムについても一水和物の結晶構造が報告された.こうした結晶構造データを効果的に用いれば,高校化学の無機物質分野におけるより魅力的な授業を展開できるかもしれない.すなわち,簡易型アンモニアソーダ法の生徒実験を湯煎および氷冷による二通りで実施すれば,高温と低温で生じる違いを事前に予想させつつ,観察に目的意識を持たせることができる.そして反応温度により生成物が異なることに気づかせ,思考を深めさせることも期待できる.結晶構造を立体的に表示すれば,視覚的理解に基づくさらに発展的な学習も可能だろう.