著者
久和 茂 池 郁生 酒井 宏治 滝本 一広 山田 靖子 山田 靖子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

マウスノロウイルス(MNV)は2003年に報告された新規マウス病原体で、まだ不明な点が多い。血清あるいは分子遺伝学的方法を用いた疫学調査により、日本の実験用マウスコロニーにおいてMNVの感染がなり拡がっていることが見出された。診断法の改良として、組換えVP1タンパク質を用いたELISA法の基盤を構築し、また簡便さ、速さ、検出感度に優れているRT-LAMP法を開発した。近年動物実験施設の衛生管理に多用されている弱酸性次亜塩素酸水がMNVの不活化作用を持つことを見出した。デキストラン硫酸塩(DSS)誘発炎症性大腸炎モデル、あるいはマウス肝炎ウイルス(MHV)感染症モデルの実験結果をMNV感染は修飾することが示された。