著者
干場 秀雄 米田 浩泰 池滝 孝 新出 陽三 奥島 正 平山 森一 天池 伸三
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.53-60, 1996-10-11
参考文献数
8
被引用文献数
4

1993年12月に日本で初めて帯広畜産大学附属農場(以下大学農場と呼ぶ)にオランダのP社製自動搾乳システムが導入された。それ以来、これを使用して日本の酪農家向け自動搾乳システムの適用試験が開始され、その成果を踏まえて、その後さらに二個所にこのシステムが設置され稼働している、本研究はそのうちの二個所の自動搾乳システムの搾乳作業を調査し、搾乳能率、搾乳ロボットのティートカップの取り付け性能を明らかにした。調査は大学農場の二頭単列タンデム式とロボファームの三頭単列タンデム式自動搾乳システムで、一日3回搾乳時に行った。その結果は以下の通りである。1)朝搾乳作業は昼・夜搾乳作業と比較して、その作業時間が1時間〜1時間15分程長かった。昼・夜搾乳作業において、乳牛がスムーズに入室した場合の搾乳能率は二頭単列タンデム式で13〜14頭/時、三頭単列タンデム式で20〜22頭/時と室数に比例していた。2)搾乳ロボットによるティートカップ取り付け所要時間は乳頭の形状の揃った牛で30秒であったが、乳頭の形状が不揃いの牛では2分以上を要していて、その形状を揃える必要性が明らかになった。搾乳ロボットによるティートカップ装着率は大学農場では95%で、ロボファームでは98%であった。3)朝・昼・夜の搾乳開始時刻による搾乳時間間隔の違いは搾乳量に影響を及ぼし、朝(9時間)は昼・夜(75時間)よりも搾乳量で45%多かった。4)ロボファームでパーラヘの牛の進入の順位を調査すると、早い牛群(1位〜20位)と遅い牛群(41位〜60位)において、8頭が常にその群の中にいて、そのグループ分けがなされていた。日本家畜管理学会誌、32(2) : 53-60.1996.1996年5月21日受付1996年8月2日受理
著者
池滝 孝 太田 三郎 鈴木 省三 熊瀬 登 遊佐 啓一
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.19-24, 1982-11-25

低グルコシノレートナタネ粕の高水準配合飼料が乳牛の飼料摂取量および乳生産・乳質におよぼす影響を知るため,ホルスタイン種乳牛8頭を用い,キャンドル種(Candle)ナタネ粕24%を含む配合飼料(R24)と現行種(Ordinary)ナタネ粕8%,大豆粕9%を含む配合飼料(R8)を産乳量に応じ各群4頭に給与し,28日間を1期とする3期反転泌乳試験を行なった。各群とも給与した配合飼料を全量採食し,粗飼料として与えた乾草,とうもろこしサイレージの摂取量も処理間に差はみられなかった。産乳量,乳脂率,無脂固形分率および乳脂生産量にも差は認められなかったが,乳蛋白率はR24給与期にやや多く,有意差(P<0.05)があった。また,供試牛の体重変化および健康状態もほぼ正常に推移した。本試験のように,配合飼料給与量が1日7〜9kgのレベルであれば,乳牛用配合飼料にキャンドル種ナタネ粕を24%の高率で配合しても,乳牛の食欲,生産性,乳成分に著明な影響を与えることなく,安全に使用できるものと推察された。