著者
藤枝 繁 池田 治郎 牧野 文洋
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.652-658, 2002-09-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
9 5

海岸に漂着散乱する発泡プラスチック破片の実態を明らかにするため,鹿児島県68海岸の砂を採取し,その中に含まれる漂着人工物の個数を求めた。漂着埋没物の総回収量は80,655個で,その99.9%がプラスチック類であった。また全体の92.6%を発泡プラスチック破片が占め,その9割が0.3~4.0mmの微小破片であった。同破片の漂着は65海岸で確認され,鹿児島湾中央部東海岸で最も多く平均290.4個/L,続いて同湾奥部海岸で平均176.1個/Lであった。漂着分布の特徴より,この破片の主な発生源は海上や海岸で大量に使用,放置されている発泡プラスチック製漁業資材であると推察した。