著者
藤枝 繁
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.23-30, 2011 (Released:2011-03-18)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

瀬戸内海で大量に使用されているカキ養殖用プラスチック製パイプ類の漂流漂着実態を明らかにすることを目的に,瀬戸内海全域を対象に海岸での回収調査および海面での目視調査を実施した。海岸における平均漂着密度は,採苗連に使用されるまめ管が最も高く 7.5 個/m2,続いて広島県の垂下連で収穫時に発生する損傷パイプ 4.5 個/m2,同垂下連で使用されるパイプ 2.9 個/m2 であった。まめ管,パイプおよび損傷パイプの発見率(漂着密度 0.1 個/m2 以上の調査海岸数の割合)は,広島県から西方の海域で高かったが,まめ管は東部海域にも広く漂着していた。
著者
藤枝 繁 小島 あずさ 大倉 よし子
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

太平洋を漂流する海洋ごみの流出地を明らかにするため,2010 年 4月から黒潮流域の伊豆諸島,小笠原諸島,北太平洋海流流域のミッドウェー環礁,ハワイ諸島,米国西海岸,黒潮上流域の台湾ののべ 307 海岸等において,14,647 本のディスポーザブルライターを採取した。ライターに記載された店舗名等から流出地を判別した結果,伊豆・小笠原諸島,ミッドウェー環礁,ハワイ諸島では,日本の太平洋沿岸を含む東アジアを流出地したものがほとんどを占めたが,台湾では日本からの漂着は見られなかった。
著者
藤枝 繁 池田 治郎 牧野 文洋
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.652-658, 2002-09-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
9 5

海岸に漂着散乱する発泡プラスチック破片の実態を明らかにするため,鹿児島県68海岸の砂を採取し,その中に含まれる漂着人工物の個数を求めた。漂着埋没物の総回収量は80,655個で,その99.9%がプラスチック類であった。また全体の92.6%を発泡プラスチック破片が占め,その9割が0.3~4.0mmの微小破片であった。同破片の漂着は65海岸で確認され,鹿児島湾中央部東海岸で最も多く平均290.4個/L,続いて同湾奥部海岸で平均176.1個/Lであった。漂着分布の特徴より,この破片の主な発生源は海上や海岸で大量に使用,放置されている発泡プラスチック製漁業資材であると推察した。
著者
鄭 龍晋 松野 保久 藤枝 繁 山中 有一
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.553-560, 1995-07-15
被引用文献数
5 2

The underwater noise emitted by fishing boats is one of the main noise sources in coastal fishing grounds. This paper intends to investigate the underwater noise emitted by fishing boats, by means of measuring both drifting and cruising noise for small trawlers and medium purse seiners.<br> The spectrum of noise when drifting showed some harmonics (line component spectrum) of basic frequency which corresponded to the main engine and generator revolution pitch. The noise at cruising showed a powerful continuous component spectrum above 50 Hz frequency zone to the propeller influence as well as line components spectrum. It dominated when applied to full speed ahead and astern. The sound spectrogram of underwater noise emitted by fishing boats when cruising showed furthermore doppler phenominon and interference. These functions at cruising were influenced by distance from noise source, depth, reflection number, main engine and generator revo-lution, and cruising speed.
著者
藤枝 繁
出版者
鹿兒島大学水産學部
雑誌
鹿兒島大學水産學部紀要 = Memoirs of the Faculty of Fisheries, Kagoshima University (ISSN:0453087X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.69-74, 2007-12

博多港は、120万を超える大消費地福岡市の中心に位置し、日本海周辺の豊富な水産資源が国内外から集まる港として古くから栄えてきた。またこの博多港を有する博多湾(福岡湾)では、クルマエビ、シャコ、カレイ等の底性動物を対象にした「エビ漕(こぎ)漁」と呼ばれる小型機船底曳網漁業(手繰第二種漁業)が行われている。1997年頃からこの網に中国製ビール瓶や油の付いたウエス等が入るようになり、漁獲物が損傷する被害や油臭が付くといった被害が頻発するようになってきた。その発生源は、目撃情報から博多湾に錨泊する中国鮮魚運搬船とされており、また同船は海上でのごみの不法投棄以外にも錨泊中に強風で走錨し、定置網やカゴ漁具等を破損させるといった事件も発生させている。本報では、同作戦で海底から回収されたごみの内容と漁協に届けられた中国鮮魚運搬船による漁業被害について整理し、博多湾における海上投棄ごみによる問題点について述べる。
著者
藤枝 繁
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.23-30, 2011-01 (Released:2012-12-06)

瀬戸内海で大量に使用されているカキ養殖用プラスチック製パイプ類の漂流漂着実態を明らかにすることを目的に,瀬戸内海全域を対象に海岸での回収調査および海面での目視調査を実施した。海岸における平均漂着密度は,採苗連に使用されるまめ管が最も高く7.5個/m2,続いて広島県の垂下連で収穫時に発生する損傷パイプ4.5個/m2,同垂下連で使用されるパイプ2.9個/m2であった。まめ管,パイプおよび損傷パイプの発見率(漂着密度0.1個/m2以上の調査海岸数の割合)は,広島県から西方の海域で高かったが,まめ管は東部海域にも広く漂着していた。
著者
藤枝 繁 佐々木 和也
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.755-761, 2005-09-15
参考文献数
30
被引用文献数
1 39

カキ養殖が盛んな広島湾江田島・倉橋島において, 海岸に漂着する発泡プラスチック破片とその主な発生源である発泡スチロール製フロートの港内における不適切な使用および海岸漂着後の放置の実態について調査した。34地点から245,656個の漂着物が回収され, そのうち98.6%が発泡プラスチック破片であった。同破片は98.5%が10.0mm未満の微小破片で, 漂着密度は44,521.3個/m^2であった。フロートは58港で6,760個が防舷物として使用されており, 一港あたりの平均使用個数は140.7個/港, 海岸漂着密度は1.1個/kmであり, いずれの値も江田島で高かった。