著者
池田 稜子 細井 陽子 原 敏夫
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.50-56, 2000-06-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
17

納豆糸引き度を低下させる要因物質を探るため, 大根を試料として検索し, 酵素的諸性質について検討した結果, 次の知見を得た.(1) 大西らの方法による納豆糸引き度低下活性と, より簡便な方法による納豆粘着度低下活性の間に, 正の相関関係が成立した.(2) 大根搾汁上清から納豆糸引き度低下要因物質を検出した.活性は加熱処理により失活した.(3) 糸引き度低下活性 (ΔL), 粘着度低下活性 (ΔW), 粘度低下活性 (ΔT) を測定した結果, いずれも大根の青首部分より先端部分に強い活性が認められ, その経時的な変化から納豆糸引き度低下要因物質は酵素である可能性が示唆された.(4) 大根搾汁上清の硫安塩析により調製した粗酵素液について, 基質γ-PGAの粘度低下活性を測定した結果, 納豆γ-PGA分解粗酵素の至適pHは5.5, 至適温度は37℃, pH安定性は, pH6.5~8.5, 温度安定性は, 35℃で約50%, 50℃ で大部分が失活した.(5) 市販プロテアーゼ (数種) によるγ-PGA溶液の粘度低下はほとんど認められなかった.本研究の概要は, 平成10年度日本食品科学工学会第45会大会において発表したことを付記します.
著者
池田 稜子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.19-32, 1995-12

偏食傾向の実態を把握するため、園児(3〜6歳)及び大学生(18〜22歳)を対象としてアンケート調査を実施した結果、以下の点が明らかとなった。1.園児の約90%、大学生の約66%が嫌いな食品を有していたが、その食品の嫌偏食傾向は園児より大学生の方が強いことが示唆された。2.食物に対する好偏食傾向は園児、大学生ともに極めて低く、両者間に有意差は認められなかった。3.偏食食品に対して園児は「なんとなく嫌い(食べず嫌い)」、大学生は「味やにおい」が最大の嫌いな要因であった。4.好き嫌いの多い偏食児の男児は、女児に比してより「甘えん坊」型が多いことが示唆された。5.大学生に対する調査から偏食の矯正時期として中学生時代が最も多いことが分かった。