著者
柴田 久 齋藤 勝弘 池田 隆太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.30-43, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
56
被引用文献数
2

本研究では2008年から17年までの10年間に発表された景観研究論文を対象に,研究目的別の系譜図を作成した.さらに先行研究の成果を踏まえ,作成した系譜図に対する考察から,景観研究の動向と今後の課題について検討した.その結果,景観研究論文として484編が選出され,35の研究視点による目的別研究系譜図が導出された.さらにそれら系譜ごとの考察を行ったうえで,景観研究の動向と今後の課題として1)自然的・文化的風景を巡る保全論の再提起や,2)防災と景観を両立させる思想論・方法論の検討,3)質の向上を図る制度推進に有効なデザイン手法の提示について考察がなされた.
著者
池田 隆太郎 柴田 久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00089, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
15

本研究では,大分県津久見川における河川激甚災害対策特別緊急事業を事例として,基本構想から現場施工までに至る事業プロセスを詳述するとともに景観配慮の実現方策について考察した.その結果,1) 事業早期段階における整備・管理主体間の地域の実情を踏まえた目標設定と共有の場づくり,2) 管理者による景観設計方針を引継ぐシステムとともに監修業務にあたれる人的体制,3) 都市との一体的整備を念頭におきながら自由度の高い交付金を激特事業の工期に重ね合わせて取得・活用する工夫が,激特事業等の災害対策事業における景観配慮を実現させる有効な戦略として挙げられた.