著者
池谷 友秀 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.130, pp.79-84, 2007-07-02
被引用文献数
2

字幕付きのドラマや映画などを鑑賞する際,字幕が話者の顔から離れて表示されているため,字幕を読みながら話者の演技を集中して見ることが困難である.そこで本研究では吹き出しを話者の近辺に作成し,その内部に字幕を表示するシステムを開発した.話者を識別するために,顔検出の結果から唇領域の位置を推定し,唇の開閉状態を認識する.字幕は他の登場人物の顔領域に重ならないような適切な位置に表示する.15人の被験者に1分程度の会話シーンを本字幕表示方式と従来方式(字幕が常に画面中央下部に表示される方式)で視聴してもらい,本字幕表示方式の見易さをアンケートにより評価した.評価実験の結果,字幕が適切な位置に表示された場合には本字幕表示方式の方が見やすいということが確認できた.