著者
沖中 武 嶋崎 恒雄
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.22-29, 2010-09-23 (Released:2017-06-28)

研究の目的 本研究では、垂直サイン(データ付きポスター)と地面サイン(カラーテープ)が不法駐輪の防止に及ぼす効果を検討した。研究計画 ベースライン1、介入1(垂直サイン)、介入2a(垂直サインに地面サインを付加)、ベースライン2、ベースライン3、介入3(地面サイン)、介入2b(地面サインに垂直サインを付加)、ベースライン4からなるABCAABCAデザインを用いた。場面 大学キャンパス付近の歩道において実施した。参加者 当該の場所に駐輪をした者を対象とした。介入 垂直サイン(当該の場所に駐輪された台数の日々の推移を示す折れ線グラフを記載したポスター)と地面サイン(路上に貼付されたカラーテープ)を用いた。行動の指標 駐輪禁止範囲に駐輪された台数であった。結果 垂直サインと地面サインを併用することで不法駐輪台数が減少した。結論 不法駐輪台数のフィードバックと、カラーテープによる駐輪禁止範囲の明示を併用することの効果が確認された。今後は、より効果的な介入方法を検討するとともに、大学キャンパス全体を対象とするような大規模な介入の効果を検討することも必要である。