著者
佐々木 康夫 長井 紀子 沖村 勉 山本 格
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.1-7, 1987 (Released:2007-02-23)
参考文献数
24
被引用文献数
6 3

シアニン系感光色素であるlumin(4,4'-{3-[2(1-ethyl-4-(1-H)quinolidene)ethylidene]}propenylene[bis(1-ethyl quinolinium iodide)])を用いて,種々のアレルギー反応に及ぼす影響を検討し,以下の成績を得た.1)luminはIgE抗体産生を軽度に抑制したが,IgMおよびIgG抗体産生には何ら影響を及ぼさなかった.2)luminはラットの481時間homologous PCAを軽度に抑制し,in vitroの抗原抗体反応によるhistamine(His)遊離に対しても若干の抑制作用を示した.3)luminは遅延型過敏(DTH)反応においてcyclophosphamide(CY)によるDTH反応の亢進を有意に抑制した.以上の結果より,luminは免疫薬理作用を介することにより抗アレルギー作用を示すことが示唆された.