著者
小林 弘明 久保田 泰徳 山田 博道 保本 朋宏 沖田 美紀 平田 晴美 金森 久幸 豊田 安基江
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.15-20, 2003-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

平成12年3月, 黒毛和種繁殖牛を9頭飼育する農家で, 畜主が牛舎近くで枝打ちした木の枝を敷料として使用したところ, 約12時間後に5頭が神経症状を示し, そのうち3頭が約60時間以内に死亡した. 病性鑑定の結果, 第一胃内容からシキミ葉を多数認め, また, シキミ葉から0.5mg/gのアニサチンを検出した. さらにシキミ葉抽出液をマウスに投与したところ, 立毛, 嘔吐様症状, 開脚姿勢, 歩様異常等の神経症状を認めたことから, 本症例をシキミによる中毒と診断した.
著者
磯部 直樹 沖田 美紀
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

性ステロイドホルモンが乳腺免疫機能に及ぼす影響および体内の常在細菌が死ぬことにより放出される細菌成分によって乳房炎が発症する可能性について検証した。エストロジェン(E)を投与すると、乳量が顕著に減少した。また細菌成分を注入した時、E投与区の方がプロジェステロン(P)投与区に比べて抗菌因子の乳中濃度が高かった。また、血中に細菌成分を注入すると、乳腺においてその成分が検出されると同時に、炎症が誘起された。以上の結果から、Eは乳量を減少させることによって乳中抗菌因子濃度を高め、細菌感染に対応していることおよび、体の他の部分から細菌成分が移行することによっても乳房炎が起こり得ることを明らかにした。