著者
沢住 和秀 隣 雅晴 酒井 公平
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.p589-593, 1982-05

分娩前のオキシトシン負荷試験(以下OCTと略), 血中エストリオール(以下E_Sと略), 子宮内での胎盤付着部位, 分娩後の胎盤所見, 新生児出産体重の関連を206例について検討した.1.妊婦血中E_3値とOCTの結果とは必ずしも一致しなかった.2.OCT陽性及び疑陽性例では新生児出産体重と胎盤重量が小さく,胎盤異常所見のあることが多かった.3.胎盤重量と新生児出産体重はよく相関するが,妊婦血中E_3値とは相関が低い.4.胎盤の右後壁付着にOCT陽性,疑陽性の頻度が高く,左前壁付着に低い傾向があった.
著者
沢住 和秀
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.987-995, 1981-07-01

ガードリング型外測陣痛変換器背面に800gの重錘を乗せ, 腹壁圧着を一定にして, 子宮収縮指数を用いて子宮収縮を定量化し, NSTとOCTを行なつた.妊娠中の子宮収縮指数は分娩前4週で増加し, 分娩前にふたたび増加した.また初摩婦の方が経産婦よりも大きた子宮収縮指数を示した.OCT時の胎児心拍数図所見は分娩時の所見と同様のものが多かつた.0CTはNSTよりも分娩時fetal distfessを予測するのに有用であるが, 分娩時にはOCT陽性, 疑陽性例はもちろん, 陰性例にも分娩監視をおこたつてはならない.OCTの最適負荷は子宮収縮指数で65〜70min・g/cm^2と思われる.高くても100min・g/cm^2以下におさえた方がよい.OCT施行中にfetal distressを示した場合はすぐに中止すべきである. OCT陽性例ではOCTによりLTV減少傾向がみられた.