著者
河本 雅樹 村山 伸樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.525, pp.51-58, 1998-01-31
被引用文献数
1

事象関連電位と文字認知との関連性についての基礎的な研究として、図形画像および1文字の画像を視覚刺激画像として用い、刺激画像の呈示時間を変えることによる事象関連電位への影響について考察した。さらに、2文字〜6文字の画像について、被験者にTargetを示唆しない場合と示唆した場合での、文字数の増加にともなう事象関連電位への影響について考察した。この結果、刺激画像の呈示時間の変化はP300に大きな影響を与えなかったが、刺激画像の文字数が増加すると、P300の振幅はTargetを示唆しない場合、文字数とともに大きくなるを傾向を示し、潜時は刺激画像の文字数が2文字〜4文字までは増加し4文字〜6文字では一定になるといった傾向がみられた。
著者
村山 伸樹 伊賀崎 伴彦 河本 雅樹 梶原 靖祐 米積 友邦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.612, pp.37-42, 2002-01-19

「かな」, 「漢字」, 「英単語」の認知過程を調べるためにオドボール課題を用いて事象関連電位(P300)の潜時および振幅を調べた.各文字の文字数を1文字から4文字まで増加させると, 「かな」では文字数の増加にともない潜時が有意に増加したが, 「漢字」, 「英単語」は増加しなかった.一方, 振幅は「かな」では変化がなかったが, 「漢字」では2文字で, 「英単語」では3文字で最大振幅差を認めた.このことから, 音節文字と形態素文字および音素文字の認知情報処理過程が異なっていることが示唆された.