著者
小林 達矢 深沢 宏 村山 伸樹 中西 亮二 奥村 チカ子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.501, pp.111-117, 1997-01-25
参考文献数
6
被引用文献数
3

パーキンソン病(PD)の動的病態の特徴をとらえるために, パーソナルコンピュータとデジタイザを用いてシステムを構築し, 視標追跡変速描円運動を用いて, 運動時の振戦, 固縮, 動作緩徐の定量化に有効なパラメータの検討を行なった. その結果, ずれ成分では(1)加速時のずれが重要であり, 遅れ成分では(2)遅れのCV値(3)スタート時の遅れ(4)加速時の遅れ(5)遅れ時間というパラメータが重要であった. これらのパラメータを用いてPD陽性を判定してみると66名中51名をPD陽性と判断することができた.
著者
西牟田 輝満 錦戸 亮二 村山 伸樹 伊藤 眞一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.93, no.449, pp.17-24, 1994-01-28

神経の興奮を調べる一般的な方法として微小電極法が用いられているが、この方法では脳神経回網全体のダイナミックな挙動を解析するのは困難である。近年、興奮のダイナミックな流れをつかむ方法の一つとして光学的測定法が注目されている。そこで本研究では、25チャンネルフォトダイオードアレーを用いた多点光学測定システムを試作した。またシステムの有効性を検証するために、ラット大脳波質体性感覚野にこのシステムを適用し、体部位再現を行った。
著者
川上 いずみ 村山 伸樹 川崎 貞道 伊賀崎 伴彦 林田 祐樹
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.559-565, 2008-11-15 (Released:2008-12-31)
参考文献数
7
被引用文献数
1 10

本研究ではそばの風味とテクスチャーに与える,保存温度の影響を官能評価と機器分析により確認し,食味保持に適した保存温度の確認と機器分析による客観的手法の確立を行った.石臼挽きソバ粉をクラフト包材に7日間異なる温度で保存し,官能評価と機器分析,味覚認識装置(味覚センサ),GC-MSクロマトグラフィ,テクスチャーアナライザによる分析で次のような知見が得られた.(1)官能評価では保存温度が高いと食味が低下し,苦味の増加が起こることが明らかとなった.しかしながら,保管温度5℃では苦味が強く異なる傾向を示しており,結露による水分変化により食味が変化することが明らかとなった.(2) 機器分析では味覚認識装置(味覚センサ),GC-MSクロマトグラフィ,テクスチャーアナライザによるいずれの分析でも,保存温度の違いによる食味の変化を確認できた.味覚センサでは保存温度による「苦味」,「酸味」,「渋味」を示唆するセンサ出力の変化が確認され(P<0.05)5℃保存サンプルでは「苦味」,「渋味」を示唆するセンサ出力で異なる挙動が確認できた.GC-MS分析では「そばの香り」と定義した香気成分は保存温度が高いほど減少し,保存温度が低い方が香りは保持されることが示唆された.テクスチャーアナライザでも5℃保存サンプルが最も食感がやわらかくなり,−18℃では硬さがあることが確認できた.(3) 官能評価と機器分析値との相関は,味覚認識装置(味覚センサ),テクスチャーアナライザで確認され,これらの方法がそばの食味の客観的分析法として有効であることが示唆された.テクスチャーアナライザの「抗張力」と食感「硬さ」との間で相関の可能性が示唆された.官能評価「酸味」は味覚センサの3chと0.63,4chと0.70,2chと0.74,5chと0.88という相関が確認できた.試料数nを増やし相関の精度を向上することで,味覚センサでそばの味の違いを判別できる可能性が示唆された.(4) そばの食味を維持するには保存温度が低い方が適していることか明らかとなり,クラフト包材で保存する場合5℃温度では結露の問題があることから−18℃の低温が適していることがわかった.
著者
和田 泉 村山 伸樹 音成 龍司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.501, pp.31-36, 1996-01-27
被引用文献数
2

誘発電位の遅期成分(P300)は, 被験者の心理状態すなわち呈示された刺激への関心や評価などにより振幅が変化することが知られている. これを事象関連電位という. 今回の実験では, まず2種類のランドルト環のうち一つをまれに呈示し(Target), もう一つを頻繁に呈示した(Non-Target). Target刺激時のP300の振幅はNon-Target刺激時よりも有意(P<0.01)に大きかった. また, この振幅はTarget刺激の呈示頻度の増加に伴い減少する傾向にあることがわかった. 次に, 1人は面識のある人物, 残りの9人は面識のない人物の顔写真をランダムに被験者に呈示し, この時のP300の変化を検討した. その結果, 面識のある顔写真呈示時に対するP300の振幅は, 面識のない顔写真呈示時に比べて有意(P<0.001)に大きかった. しかしながら, ランドルト環呈示課題のP300の振幅と比べると小さかった.
著者
伊賀崎 伴彦 藤本 真樹 水野 敬 村山 伸樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.598, pp.79-85, 2001-01-19

3音節から成る2種類の肉声(抑揚あり/なし)と3種類の合成音声を作り、被験者に意味のある単語と意味のない単語を聞かせ、事象関連電位P650/P800を用いてそれらの音声の聞きやすさを評価した。その結果、聞きやすい音声を聞かせたときの方が聞きにくい音声を聞かせたときよりもP650/P800の潜時が有意に短くなり、聞きやすさとP650/P800の振幅も相関する傾向があった。
著者
河本 雅樹 村山 伸樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.525, pp.51-58, 1998-01-31
被引用文献数
1

事象関連電位と文字認知との関連性についての基礎的な研究として、図形画像および1文字の画像を視覚刺激画像として用い、刺激画像の呈示時間を変えることによる事象関連電位への影響について考察した。さらに、2文字〜6文字の画像について、被験者にTargetを示唆しない場合と示唆した場合での、文字数の増加にともなう事象関連電位への影響について考察した。この結果、刺激画像の呈示時間の変化はP300に大きな影響を与えなかったが、刺激画像の文字数が増加すると、P300の振幅はTargetを示唆しない場合、文字数とともに大きくなるを傾向を示し、潜時は刺激画像の文字数が2文字〜4文字までは増加し4文字〜6文字では一定になるといった傾向がみられた。
著者
村山 伸樹 伊賀崎 伴彦 河本 雅樹 梶原 靖祐 米積 友邦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.612, pp.37-42, 2002-01-19

「かな」, 「漢字」, 「英単語」の認知過程を調べるためにオドボール課題を用いて事象関連電位(P300)の潜時および振幅を調べた.各文字の文字数を1文字から4文字まで増加させると, 「かな」では文字数の増加にともない潜時が有意に増加したが, 「漢字」, 「英単語」は増加しなかった.一方, 振幅は「かな」では変化がなかったが, 「漢字」では2文字で, 「英単語」では3文字で最大振幅差を認めた.このことから, 音節文字と形態素文字および音素文字の認知情報処理過程が異なっていることが示唆された.