著者
河村 圭亮 中村 光 竹村 雅志 三浦 泰人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.179-196, 2022 (Released:2022-05-20)
参考文献数
35

あと施工せん断補強筋(PHB)で補強したRC部材のせん断抵抗メカニズム解明のため,4つの条件に着目して3次元剛体バネモデルによる数値解析を実施した.1つ目に,PHBの幅方向配置間隔を狭くするとせん断補強効果が高まることを示した.2つ目に,PHBを用いた場合も断面高さの違いによる寸法効果は閉合型スターラップを用いた場合と同様であることを示した.3つ目に,せん断スパン比a/dの違いで破壊モードが異なる条件でも内部ひび割れや耐力への影響は同様であることを示した.最後に,面部材などで幅方向が一様に拘束された条件下では,PHB・閉合型スターラップを用いたいずれの場合もアーチ機構とトラス機構が増加して梁部材よりも耐力が大きく増加することを示した.本検討はa/d=2.86の条件を基本とし,1.71~4.00の範囲で同様の傾向を確認した.